タイプフェイス(書体)

このページでは、私が桑山書体デザイン室在籍中、桑山氏と共同で制作させていただいた仮名書体(AD桑山弥三郎)の中から 6書体を、桑山氏に了承を得た上で掲載致します。「新明朝体〈山〉315」の漢字・英字と組むために制作した「山雪315」「山里315」「山鳥315」、「新ゴシ ック体〈岩〉1515」の漢字・英字と組むために制作した「岩流1515」「岩勢1515」。そして「日産自動車製品名制定書体」です。企業の制定書体以外は、 インプレス発行日本タイポグラフィ協会制作「データベース・日本のタイプフェイス2000年版」にも収録されています。(岩勢1515:日本タイポグラフィ年鑑1995ベストワーク賞、日産自動車製品名制定書体:日本タイポグラフィ年鑑1987入選)

T:タイプフェイス名称 C:クライアント N:文字数 *:制作完了年
 
T:山雪315 C:桑山書体デザイン室 N:177文字 *:1986
バー(横線)の両端のエレメントがラッパの形をしている点が、この仮名書体の顕著な特徴です。文字により微妙にバーの反り具合が変化する繊細な書体で、バーの制作だけでかなりの時間を要しました。
  T:山里315 C:桑山書体デザイン室 N:179文字 *:1985
単なる明朝体ではなく、各文字のふさわしい場所に少なくとも1ヶ所は細い線を表現するという目標を持って制作した仮名書体です。その目標により、これまでの明朝体にない個性を表現できたと思います。
 
T:山鳥315 C:桑山書体デザイン室 N:178文字 *:1986
315とは文字のウエイトを表わす数値です。字枠100として横線の太さ3、縦線の太さ15ということになります。平ペンで描いた時の筆跡等をデザインに取り入れながら制作した平ペン風の仮名書体です。
  T:岩流1515  C:桑山書体デザイン室 N:173文字 *:1990
この書体も単なるゴシックではなく、四角を意識したゴシック体です。 「い・こ・た…」等、本来書道等で筆の筆跡がかすれて残るような部分を 大胆にバーやステムに近い太さにして描いた前衛的な仮名書体です。
 
T:岩勢1515  C:桑山書体デザイン室 N:192文字 *:1994
桑山氏制作の新鮮な勘亭流風の書体「粋」をベースに、現代の組文字に通用するヒゲ文字を作りました。ヒゲの先端をスパッとカットすることにより、斬新な現代のヒゲ文字に仕上がったと感じています。
  T:日産自動車製品名制定書体 C:日産自動車 N:84文字 *:1983
カタカナのみの製品名専用の書体です。「エアクリーナエレメント」や 「アルミロードホィール」等、長い名称の製品が少なくないため、かなり 縦長の比率で設計した書体です。